TOON

開発ストーリー

純正プレミアムサウンドを「さらに一段上のレベル」へと引き上げる。
TOON Σはそのコンセプトをもとに誕生しました。
その実現に向けて、開発者は「車の中で聴く音楽が楽しくなる」という視点で音づくりに挑みました。


開発者
藤岡 潤二
株式会社ビートソニック 技術部

製品開発歴30年。カーオーディオ製品を中心に、ナビ載せ替えキットや映像入力キットなどのカーエレクトロニクス製品を幅広く担当してきた。
2022年に技術部の部長に就任。車で音楽を聴く楽しさを、もっと多くの人に届けたい──そんな想いで製品づくりを続けている。


この曲が終わってから降りよう!と思えるか

この製品は「オーディオ機器としての最高峰!」というのではなく、「聞いていて気分が上がる、楽しくなる」というのが基本コンセプトです。
スピーカー含めすべて純正の状態をキープするという制限の中、Σを付けるだけで「音楽を聴いているのがなんか楽しい」「この曲が終わってから車から降りよう」と思えるような状況を思い浮かべ開発しています。 特にポイントは低音の切れ、聴く人とボーカルとの距離感にこだわって開発しました。

Hi-FiよりもHi-Funで

部品の選定や回路構成は、あえてスペックは追い求めず音楽を聴いてワクワクするかどうかで決定しています。もちろん音楽を聴く以上、最低限のスペックを考えないというわけにはいかないですが、スペックを追い求めないということは「測定上はAという部品がいいけど聴いていて楽しいのはBだよね」というような選定ができるということなのです。
車の中というオーディオ的には良いとは言えない環境下で楽しくドライブをするにはどうすればいいか、という問いに対してΣという製品は私が出した回答の一つです。 今回Σ用として音が立体的に聞こえるためのICを採用したのも、その理由の一つです。

カプラーオンが正義!

高級カーオーディオのようにスピーカーを交換し配線も引き直してセッティングも出す、というのがカーオーディオとして考えると最善であることは分かっているのですが、車の加工や費用のことを考えるとなかなか手が出ないと思います。それが「カプラーオンでアンプを付けるだけでもっと音楽を聴くのが楽しくなるよ」と聞くとそれだけでワクワクしませんか?
この製品は「ハイエンドを目指すわけではない。でももっと良くしたい。」「電気配線は難しいからカプラーオンがいいなぁ。」そんな想いに応えられる製品になったと思います。

DSPを使用しないという選択

現在のカーオーディオにおいてDSPは必要不可欠なものとなっています。聴く人が各スピーカーのセンターにいない、狭い空間、点在するスピーカー……ホームオーディオと比較すると条件が悪すぎるのですが、DSPの登場によってかなりレベルの高い調整が可能になりました。
設定がしっかりできれば最高のパフォーマンスをだせるDSPも自分が調整しようとすると少しの調整であってもかなり難しく「dBって?」「スロープ?」「カットオフ?」という人がほとんどだと思います。
今回の製品はあえてアナログで完結し、初期設定から「もう少し低音が欲しい」と感じればこのアンプに付いているドアスピーカーやウーファーのダイヤルを回せばよく、「もう少し高音が……」と思えばツイーターのダイヤルを回せばよいという作りになっています。ユーザーさんに気楽に音楽の変化を楽しんでほしい、遊んでほしい、との考えから今回はDSPを使用しないという方法を取りました。